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第25回 保護具の話 墜落制止用器具

 

 第3回で「保護具の話 安全帯」をご紹介しましたが、労働安全衛生施行令の一部が改正(2018年6月8日 政令第184号)され、令第13条第3項第28号の「安全帯」が「墜落制止用器具」へと名称が改められました。(但し、安全帯の名称を使い続けることに問題はありません。)

 そして、労働安全衛生規則第518条では、「高さが2m以上の場所で作業を行なう場合は、足場などにより作業床を設けるか、労働者に墜落制止用器具を使用させなければならない」と定めています。

今回は、その墜落制止用器具についてご説明いたします。

 墜落制止用器具は、労働者の作業中の墜落による危険を防止する為の保護具で、ハーネスまたはベルト、ロープ、フックなどにより構成されています。また、その構造や性能などについては、2019年の厚生労働省の告示で「墜落制止用器具の規格」が定められ、2019年8月1日以降に製造・販売されたものは、この新規格に適合したものになっています。

 

 種類としては、

  ① フルハーネス型墜落制止用器具

  ② 胴ベルト型墜落制止用器具

があり、作業内容にあった方を使用しなければなりません。

 

 ① フルハーネス型墜落制止用器具

 

 

 

 ② 胴ベルト型墜落制止用器具

 

 

 

 かつては、高所作業用保護具といえば胴ベルト型が主流でしたが、このタイプは墜落時に衝撃が一部に集中するため、背骨や内臓などを傷めることが多々ありました。これに対しフルハーネス型は、墜落時の衝撃が肩や胴などに分散され、身体を傷めることが少ないことから、現在では6.75mを超える箇所では原則、フルハーネス型墜落制止用器具(上記①)を使用しなければなりません。

 

 では、同じ墜落制止用器具を長年使用しても良いのでしょうか?

 

 墜落制止用器具の使用期限は法令では決められていませんが、メーカーの業界団体である日本安全帯研究会の自主基準では、フルハーネス(ベルト)は3年、その他(ランヤード部)については2年で交換することが推奨されています。

通常の使用状況でも徐々に材質の劣化が進んでいきますので、これらの使用期限を越えないことが大事です。

そのためには、使用開始時にはそれらのラベルに使用開始の年月日を記入しておきましょう。

 

また、使用期限を越えていなくても次のようなものは使用できません。

 

  1)一度でも落下時の衝撃が掛ったもの

  2)点検の結果、異常があったものや摩耗・傷等の劣化が激しいもの

 

 

 2019年8月1日より前に旧規格で製造された安全帯は2022年1月1日まで使用可能とした経過措置がありますが、早めに新規格に適合した墜落制止用器具の導入をお勧めします。

 

 尚、フルハーネス型墜落制止用器具を用いて行う作業に係る業務に就くには労働安全衛生規則第36条41号で定められた特別教育を受講する必要があります。詳しくは第21回をご覧ください。

 

 現場で任命されている作業主任者の職務には『保護具の使用状況の監視義務』があります。

現場にあった正しい墜落制止用器具が正しく使われているか、作業主任者としてチェックする事が重要です。

 

 キャタピラー教習所では、各作業主任者の技能講習を行っており、その際に墜落制止用器具についても説明いたします。

 

 

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