第28回 職長について
皆さん、「職長」という役職をご存じでしょうか。
何となく「職場の長」ということはわかりますが、
具体的にはどのような存在なのかちょっとはっきりしない方も多いと思います。
そこで今回は「職長」の定義、役割、必要なスキルと教育などに関してご説明いたします。
労働安全衛生法第60条に;
「事業者は、その事業場の業種が政令で定めるものに該当するときは、新たに職務につくこととなった職長その他の作業中の労働者を直接指導又は監督する者に対し、次の事項について安全又は衛生のための教育を行なわなければならない。」
1:作業方法の決定及び労働者の配置に関すること。
2:労働者に対する指導又は監督の方法に関すること。
3:前二号に掲げるもののほか、労働災害を防止するため必要な事項で、
厚生労働省令(労働安全衛生規則第40条)で定めるもの
と規定され、さらには個々の教育の最低必要時間も定められています。
つまり職長とは(業種などによって班長、グループ長、作業長など様々な呼び名がありますが)、
「作業現場にて労働者を直接指導または監督する者」ということです。
そして会社は職長となる人に対しては労働者の指導監督のために必要な教育を実施しなくてはなりません。
ただし、これら職長教育を実施するべき業種も次の通り定められており、すべての業種で実施が必須、
というわけではありません(労働安全衛生法施行令第19条)。
さて、それでは現場最前線の指揮官としての職長の役割とはどのようなものでしょうか。
職長の役割は、職場での作業の方法や設備、環境、作業者の健康状態など、
業務遂行に関係する人、物、作業を的確に把握し、異常があれば速やかに
「報告・連絡・相談」を通じて対処し、安全で効率的な生産活動を継続させていくことです。
現場の把握に向けて特に重要なポイントを次の図に示します。
現場最前線の管理者として安全衛生の推進と生産活動における品質・能率向上は矛盾するものではありません。これらを両立させていくため、職長教育においては上図に示した問題解決のポイントを中心に、把握するべき項目や問題点の早期発見と、リスクアセスメントなどの解決のスキルを学んでいきます。
もちろん、職長一人が頑張ればよいというものではありません。
安全な業務環境を整え、従業員が安心して効率的に生産活動を進めることができるよう、
現場の第一線で業務を管理監督していく、それが職長です。
キャタピラー教習所では上記法律に基づき、
安全衛生責任者教育と合わせた「職長・安全衛生責任者教育」(2日間コース)を行っております。
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